住宅ローンと不動産のニュースをまとめない

住宅ローン、不動産についての気になったニュースや話題をまとめるつもりでしたが、まとめられずに。

任意売却物件の意外に表にならない問題

住宅ローンが払えなくなりそのまま滞納を続けると、その物件は差し押さえが入り競売にかけられてしまいます。

任意売却では、その前に債務者である住宅ローンの貸主の合意の元、今後の支払計画を立て、物件を売却してローンを清算します。

 

売却する側としては、競売より高く売れる可能性が高いですし、購入側も一般の物件より安く購入できる可能性があります。

どちらにもお得のような任意売却物件ですが、その性質上、一般の物件を購入したときにある瑕疵担保が免責になってしまうため、購入する際は注意が必要....とよく言われます。

 

そんな任売物件を購入しようとして私が体験したトラブルをどうぞ。

(プライバシーを考慮してフェイクを入れてあります)

その部屋は任意売却物件だった

その頃、私は自宅が手狭になってたこともあり、近くで賃貸を借りていたのですが、この近辺は賃貸は割高のために中古のマンションを探していました。

1ヶ月くらいして、ちょうどよい物件がネットに出ているのを見て、早速、内覧をしてみることにしました。

なにしろ古びた一軒家で産まれ育った人間ですので、今どきのマンションをよく知りませんでした。

そこはこの近辺ではやや高級なマンションで共用施設も豪華だったのです。

(実際は共用施設はデメリットになることも多いのですが、当時はそんなことも知らず)

 

さて、仲介業者の案内で部屋に入ると、まずはと資料を手渡されました。

いくつかの説明の後に、

「資料にも書いてありますが、任意売却物件ですので、瑕疵担保がつきません」

との言葉。

なにしろ初めてのことでしたので、そのときはこの瑕疵担保のことばかり頭にあり、問題はないかと部屋のあちらこちらをチェックしていました。

それでも住むのに困るような箇所もなさそうで、帰宅後、すぐにこの部屋を購入しようと決断。

そして微妙に端数が出ていた価格でしたので切りの良い数字で買付証明を出しました。

http://www.flickr.com/photos/60849758@N05/14230243382

photo by emily @ go haus go

 

税金の滞納で物件が差し押さえられていた

任意売却物件は売主の一存で価格が決められず、債権者(今回は売主が住宅ローンを借りていた銀行)の同意も必要です。

ところがいくら待っても返事はさっぱりなく、これは銀行側が色よい返事をくれないのかなと気になっていたら、仲介の方から電話がありました。

 

「なかなか返事が遅いのでこちらからあちらこちらに問い合わせてみましたら、価格は売主さんも銀行さんもよいとのことだったのですが、売主さんが固定資産税を滞納して市にマンションを差し押さえられてしまっているそうです」

 

他人とはいえ、差押というものに遭遇したのはこれが初めてでした。

 

「本人曰く、忘れていたとのことなので、こちらが責任を持って売主さんをクルマに乗せて払いに連れて行きます」

 

不安になったものの、仲介の方の手配で次の日には税金を払われたようで、無事に差押も解除され、次のステージへ進むことができました。

 

この時点で半月ほど私が予定していたスケジュールより遅れていました。

ですがまだそれほどシビアな状況ではなく私は楽観視していたのです。

 

その後の手続きはしばらく順調でした。売買契約も終わり、住宅ローンの与信も降りていよいよあとは金消契約をして残金決済と引渡手続きを待つばかり。

私も仕事が忙しくなる時期がわかっていましたので、それより前に引っ越しまで済ませてしまおうと、ゆとりを持って期間を設けて構えていました。

 

ところが待てど暮らせど売主からの返事がありません。

 

売主からは何度も「いつでも引っ越しできます」という話を聞いていたので、心配はしたものの私の方も甘く考えていて、そのうち連絡が来るだろうと、早めに賃貸の退居や業者の手配など引っ越しの手続きなどを進めていました。

 

2度目の差押は消費者金融

そうしたなか、仲介の方からまた電話が.... 

「すみません。また差押です。今度は消費者金融の借金だそうです。今度のボーナスで払うのでそれまで待ってもらえないかと」 

唖然としました。

「大きな金額が動く契約ですし、2度こういうことがあると、話が流れることがとても多いです。契約を取りやめても当然手付金はすべてご返却しますし、こちらのことは気にしないで今後どうするか決めてくださって構いません」

 

どうも売主の方はトラブルが起こっても仲介の方に隠しているようなのです。

こちらとしては物件は惜しい。でも売主のことが信用できない。

そんな状況です。

 

なにより本当にきちんと売却手続きをする気があるのか。ボーナスまで待っているうちにまた別の滞納を起こすのではないか。

なによりこうしてトラブルがあったときの対応が不誠実だというのが気になります。

結局この話は流れ、私は急遽引っ越し先を変更し、手狭な実家に戻ることとなりました。

 

任意売却物件は払いきれない負債を抱えている状態 

任意売却物件の本当に怖いのは瑕疵担保免責ではありません

たいてい住宅で致命的な問題が発覚するのは瑕疵担保責任の期間が過ぎてからのことが多いです。

任売物件になるということは、売主が住宅ローンを滞納しているという現実があるわけで、つまり金銭的に上手くいっていない人が多いのが現状です。

ですので、別に債務がある可能性も高く、途中でトラブルが起きて契約が予定通り進まなくなることを頭の隅に入れておくべきでしょう。

 

その点を私の方も甘く考えていたのは否めません。ただ、おかげで初めて不動産を購入するにあたり、いい勉強になったとおもいます。

任意売却の情報はネットでも普通にありますが、差し押さえが入る可能性は書かれていないようです。もしかしたら私が特殊なのかもしれませんが、強い衝撃を受けた出来事でしたので、これから任売物件を買おうとする方に少しでも参考になればと書いてみました。