木造賃貸の活用 防火と木造への誤解
”改修メニューを個別にカタログ化”「モクチンレシピ」(NPO法人モクチン企画連勇太郎さん) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ
木賃とは木造賃貸アパートのこと。
都内の住宅の10%が木造または防火木造アパート
都内の空き家の21.3%は木造または防火木造アパート
だそうで、リノベーションEXPOで行われた、木造の空き家を改修して活用していく主旨の内容がまとめられています。
記事の中でも触れられている木賃ベルト地帯なる名称は、地方人たる私にとってはなじみの薄いものですが、それだけ活用されていない木造賃貸アパートが多いというのが現状のようです。
ただ古い木造の建物の密集地は、防災、特に火災の心配がつきまといます。
木造と防火と誤解
ただ、木造イコール火災に弱い、というのは必ずしも正しいわけではありません。
よく言われることですが、木材はゆっくりと燃えていくのに対し、鉄骨は一定の温度で一気に崩れるという性質や、じゅうぶんな厚みのある木は表面が炭化するだけで延焼に至りにくいという面があります。
また最近では木材そのものに防火加工を施したものもありますので、一概に言えないモノがあります。
江戸の頃より、東京は火災の被害に苛まれてきた街でした。
江戸に大火災が多かった理由としては、当時世界最大級の街であり過密化が著しかった反面、貧困層が多くいわゆる長屋的な火災に弱い建物がめずらしくなかった現状もあります。
江戸は武士階級の街であり、一般の建物ひとつにも贅沢を許さないというような風潮があり、防火対策は遅れがちでした。
より経済が発達していた承認の街である大阪では、同じ木造でも、防火対策を採っている家屋が多く、大火災の回数は江戸と比べるほどではありません。
ただ古い木造賃貸アパートが、どれだけ防火要素を満たしているのかはわかりません。
特に冬の乾燥した時期で風が強い日は、こうした防火の弱い木造建築は大火災につながることもあります。
耐震性の問題もあり、その辺りのクリアが活用への課題かもしれません。