変動金利と固定金利の論争は長期的なリスクに対する考え方の違い
住宅ローン、激安の変動金利はキケン!?【アフロFP】 日経トレンディネット
住宅ローンを固定金利にするか変動金利にするか、というのはよく論争になる問題です。
ファイナンシャルプランナーをしていると、どちらがおすすめか聞かれることが多く、そしてたいていの人が固定金利をすすめています。
私も基本は固定金利派です。
しかしなかには強行に変動金利をすすめる方もいます。
その理由のひとつにあげられるのが、今後、金利が極端に上がることはない、というより上げられないというもので、その考え自体は私も同感です。
仮になんらかの状況で金利が上がったとしても一時的なことで、長期的に高金利が続く可能性は低い、そう考えているのですが、それでも固定金利をすすめてしまいます。
世界は非合理的な方向へとすすみやすい
なにしろ住宅ローンの返済は長丁場です。10年でも世界は大きく変わります。
住宅ローンは20年、30年と返していくこともめずらしくありませんから、その間に、世界情勢になにがあるかはわかりません。
たとえば今年もウクライナやエボラ出血熱などが話題となりましたが、地政学リスクや疫病などがどういう影響を世界経済に与えるかはまったく未知数です。
そして経済政策が必ずしも合理的な選択をされるとは限らない点です。
歴史上、人間は不合理な選択をすることはめずらしくありません。合理的な思考の持ち主でも、重責を担う立場であったり利害関係がからむと、驚くような決断を下したりもします。
むしろ非合理的な方向へとすすむことの方が多いかもしれません。
長期的に大きなリスクを可能な限り減らす
住宅ローンは金額が大きいこともあり、長期的にそうした不慮の事故のような事態を避けたいというのがあります。
また住宅ローンの毎月の返済金額を確定させてしまうことで、今後のライフプランが立てやすくなるというのも理由のひとつです。
単純な損得よりも、長期的に大きなリスクは少しでも減らしておきたいというのが根底にあります。
現在の固定金利はきわめて低く、数年前の変動金利よりも低い状態です。あえてリスクのある変動金利を選ぶメリットは少ないと考えています。
一方で、今は住宅ローン金利が低いので借りるというような状況にあり、資産はあるので少々の金利上昇リスクなどたいして問題はないという方は、変動金利を選ぶ方がメリットが大きいとおもいます。