読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

住宅ローンと不動産のニュースをまとめない

住宅ローン、不動産についての気になったニュースや話題をまとめるつもりでしたが、まとめられずに。

民法改正でも難しい敷金返還対策

不動産関連の問題

賃貸からの退去後に不当な請求から敷金を取り戻すか、というハウツー的な記事はよく見ます。
ちょうど民法改正で敷金関係の問題が話し合われていますし、現在でも悪質な敷金請求はめずらしいことでもありません。

ですが、こうした記事を読んで、簡単に敷金が還ってくるとすぐに真似をしてしまうと、かえって泥沼にはまる可能性もあります。 

法律はみかたになってくれても、法律はその運用を知っている人のみかたでしかありません。
法的な手段を用いても、敷金を取り戻すのはかなり大変です。
ですので可能な限り法的な手段に持ち込まずに解決をはかるのが最善です。

f:id:silvertea:20150303103207j:plain

内容証明はタイミングを

敷金返還のノウハウとして、内容証明を送るというのはよく見るのですが、ただなにも考えずに送ってしまうのはあまり賢いやり方ではありません。
相手が内容証明自体には強制力はなにもないことをわかっていれば、あまり効果はありません。内容証明は、今後の法的手段を見据えた意思表示の証拠のためと、出し手の本気度を相手に知らしめるためであることを理解していないと、かえって失敗します。

逆にタイミングによってはかえってこじれてしまうことがありますし、文章によっては足元を見られてしまうこともあります。
まずは一般的な手紙でやりとりをしてからで、この時点で折れてくれれば、それに越したことはありません。
内容証明はまったく敷金を返還してくれる可能性が無く法的手段もやむなしといういう場合に送るべきです。

少額の場合は手間と費用がかかりすぎる 

法律はみかたとはいえ~云々と書いたのですが、要は手間と費用がかかるというのが問題です。
少額訴訟は相手が同意しなければ通常訴訟へと変更になります。さらに裁判で勝ったとしても、それで相手が敷金を返還してくれなければ差し押さえをしなければなりません。
法的手段に詳しくなければ、弁護士に依頼すれことになりますが、当然、費用がかかります。
また裁判時に相手が弁護士を立ててきた場合は、こちらも同様に弁護士を立てないとかなり厳しい状況になってしまいます。相手が直接個人ならばともかく、最近は管理会社が間に入っていることも少なくありませんので、そうなると素人にとっては分の悪い戦いになることを覚悟しないといけません。

世間にはひどい金額を請求された話がよくありますが、そこまでいかなければ、手間と費用とを天秤にかけて、熟慮して事を進めていかないとむしろ損をすることがあります。

大家側も退去時の水増し請求を受ける可能性も 

一方で賃貸側の大家にしても、管理会社が間に入っているときなど、この手のトラブルに見舞われることがあります。

退去後のリフォーム費用は大家側が負担する部分も少なくありません。最近では管理会社に一任をすることが多いのですが、退去後のリフォームの際に不必要な水増しで大幅に金額をあげていることもそうめずらしいことではありません。
しっかり確認をしていないと貸主側の大家側にも多大な費用を請求されていることがあります。

民法改正だけでは敷金トラブルは防げない 

現在、民法制定以来、120年ぶりの改正が話題となっていますが、その目玉のひとつが賃貸の敷金に関することです。


民法改正要綱を答申 敷金や原状回復義務の規定明示 :: 全国賃貸住宅新聞

ですが、単なる法改正で敷金を巡るトラブルが減るとはおもえません。
今でもすでに敷金という名前を用いず、たとえば補修分担金などの名目に変更している業者もあります。(これは民事訴訟にもなりました)
こういった法の隙間を抜ける行為は、今後、さらに増えるのではないかと予想されます。 

そろそろ敷金等の退去時の際のトラブルに第三者的な立場で関与する公的機関を設けたり、業界内での自主的なルール造りをしていくように指導するなど、行政のレベルで思い切った対策を打っていくべきなのではないかとおもいます。