住宅ローンと不動産のニュースをまとめない

住宅ローン、不動産についての気になったニュースや話題をまとめるつもりでしたが、まとめられずに。

ハイリスクを無視する不動産投資推奨記事


実は手持ち資産が少なくてもOK 不動産投資のコツ :月刊日経マネー 特集セレクト :コラム :マネー :日本経済新聞

もう露骨な広告記事なのですが、それにしても平然とおそろしいことが書かれるなと言う印象です。

本来、投資はあくまでも余剰資金で行うものであって、

消費のための借金はNGだけど、投資のための借金はしても問題ない。

などと、ハイリスクな商品を薦めるのはとんでもないことだとおもいます。
不動産投資はたしかにリターンが期待できますが、当然その分、リスクも高くなります。
貧者の投資法、などという言葉が出てきますが、ターゲットは中間層です。内藤さん、ワイン投資の頃からかなりひどくなってきているとおもうのですが、ポジショントークを通り越して、はめ込みにかかっているのではないでしょうか。

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借入金の金利と諸費用でリターンが打ち消されることも 

当然のことながら資金にゆとりがないということは、必然的に借入をして物件を購入することになります。
もちろん投資法人として上場しているような規模でも銀行から多額のお金を借りて事業を行っていますが、個人や小規模法人レベルとは異なる低い金利ですし、なにより彼らは大規模にビジネスとして行っているため、良い物件を押さえることもでき、情報も豊富にあつまります。 

自らが住居として暮らすわけではない投資用物件の購入には住宅ローンは使用できません。低金利とはいえ、政策上きわめて低い金利で借りられる住宅ローンと異なり、不動産担保ローン等の金利は数パーセントはかかります。
これは決して安いものではなく、家賃収入の利回りから借入金の金利をひくと、ほとんど利回りがなくなってしまうこともあります。
その上で管理会社に依頼をすればどうなるかは火を見るよりも明らかです。

さらに空き室リスクや物件の値下がり、そして修繕などの臨時の出費も覚悟しなければなりません。
そもそも投資用の優良物件を一般個人が手に入れることはかなり難しいです。

何度も書いているのですが、不動産投資で成功されている方は、投資というよりほぼ本業の経営として行っています。
物件の選択、管理のコスト意識など、かなり丁寧に時間をかけていて、忙しい人が片手間にできるレベルからはかけ離れています。

広告記事ならタイトルにその旨の記載を 

この記事は芸能人との対談ですし、登録していなくても全部記事が読めますし、そもそもドコモからiPhoneの日経ですから、まあいい加減だよねとなるのですが、それでも一般では日経というだけで信用してしまう人は少なくありません。日経どころか、素性の知れない業界紙の広告記事をさも取材されたかのように見せて、あやしげなビジネスに勧誘しようとする人間にだまされる人もかなりの割台でいるくらいです。
仕事ですので仕方のないことだとはおもいますが、他の媒体のようにPR記事とか、広告企画とか、そういうワードをタイトルに入れるなどするべきでしょう。少なくともコラムとして出すべき記事ではないはずです。

今、日本の市場は株高に湧いていますが、こういった甘い言葉を並べてリスクをきちんと説明しない記事が日経に平然と出るあたりに、投資がうさんくさく見られてしまう根源があるようにもおもいます。