住宅ローンと不動産のニュースをまとめない

住宅ローン、不動産についての気になったニュースや話題をまとめるつもりでしたが、まとめられずに。

住宅ローンを頭金なしで借りるなら、その前に生活を見直すべき

昔と比べて住宅ローンを組む条件として、頭金の必要性は少なくなってきています。

そんなこともあり、頭金は無くてもかまわない、という論調をときどきみかけます。
特に今はこれだけの低金利ですから、頭金が貯まるのを待つよりも早く借りてしまった方がいいという理由です。
また政府や日銀がインフレターゲットの政策を採っていることもあり、将来的な不動産価格の上昇前に購入をする方がよいという向きもあります。

一方で、頭金が1割以下の場合、住宅ローン返済の破綻率が高いというデータもあります。

suumo.jp

上記はおそらく三菱総研のデータです。
破綻、つまり代位弁済まで行ってしまったデータですので、 それ以前に返済が苦しくなり売却したケースははるかに多くなります。

http://www.flickr.com/photos/35237093637@N01/2418695

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頭金なしはすでに家計管理に不安あり

たしかに理屈の上では、頭金が無くても払えるのでしたら、購入しても問題はなさそうです。

しかし頭金の有無は、その人が貯蓄できる生活をしているか、ということを示します。
頭金が無いという人は、現在の収入に対して支出の額がほとんど変わらないか、場合によっては支出の方が多いという状態です。 
収入がそれなりにあるのに頭金が用意できないのでしたら、あればあるだけ使ってしまうという生活をしていることが多く、そのような人が高額の住宅ローンを組んだ場合、かなり危険なことになるのは明白です。

バカにならない住宅の維持費 

チラシなどで、月々の返済が家賃並みという物件販売の謳い文句はよく目にします。
たしかに住宅ローンの返済だけならそうかもしれません。
しかし住宅を維持していく費用はバカになりません。
マンションなら管理費以外にも修繕積立金があり、年月を経るに従って増加していきます。大規模な修繕があれば足りなくなることもあるでしょう。
戸建でも古くなればなるほど大きな修繕をする必要が出てきます。高額な費用をすべて自分でまかなうため、あらかじめ予想して自分で計画を立てておかないと、いざというときになにもできません。
それに固定資産税などの税金も忘れてはなりません。

賃貸ならば引っ越しの費用があればもっと安いところに引っ越すという手段でなんとかなることも多いのですが、購入してしまうとそう簡単にはいきません。
頭金がないということはオーバーローンになっている可能性が高く、買い換え、あるいは賃貸への変更でもたいへんです。

リスクを取りすぎる頭金なしでの購入 

たしかに首都圏などの一部では不動産価格は上昇しました。
それでも今後もさらにどこまで上昇するかはわかりません。
現状、物価の上昇の割に一部を除いて収入は増加していませんし、そもそも不動産価格ですら、今後の人口減少への不安や景気動向で大きく左右されるでしょう。
経済状況は1年後もつかめないところがありますし、10年20年後はまったく未知数です。

頭金なしで住宅ローンを組んでの不動産購入は、すべてがうまくいけばむしろお買い得かも知れません。
けれどもそれだけリスクも高く、ギャンブルの要素の強いものでもあります。
10万20万の買い物でしたら、そこまで深刻に考える必要もないのでしょうが、1000万単位での買い物は人生を大きく左右しますので、あまり謳い文句に踊らされるべきではありません。

頭金を貯める=金銭感覚を養う・生活を見直す、という感じで、そこから初めてみてはいかがでしょうか?