2016年8月金利はさらに史上最低を更新中も不安の予兆
2016年8月の住宅ローン金利、今月も多くの銀行で史上最低を更新しています。
10年固定の最優遇金利、みずほ銀行が0.75%から0.65%と0.1%引き下げ、三菱東京UFJ銀行が0.50%、三井住友銀行が0.70%とそれぞれ先月より0.05%下げています。
他の多くの金融機関も同じく先月より0.05%の引き下げです。
全期間固定金利のフラット35でも引き下げられています。
強まる緩和の限界論と日銀の総括的な検証への期待と不安
留まるところを知らないといった住宅ローン金利ですが、9月以降には変化があるかもしれません。
7月29日の日銀金融政策決定会合を受け、これまで低下を続けていた国債の利回りが大きく上昇しています。
追加緩和への失望と共に、これまでの金融政策の限界に対する疑念がより強くなってきたことも要因としてあげられています。
9月に行われる次回の日銀会合で金融政策の「総括的な検証」を行い、結果に応じて必要なら、措置を執ると黒田総裁が表明しています。
一部のアナリストは、このときに更なる追加緩和の可能性とも述べていますが、今までの黒田総裁の言動を鑑みれば、市場が期待しているときには期待されたことをしないため、果たして望み通りになるかはわかりません。
逆に追加緩和がなければ、緩和の限界論を一層強めることになってしまいます。
大規模金融緩和政策により国債市場はきわめて不安定な状況になっていますので、大きな巻き戻しが起こらないとも限りません。
また今年に入り住宅ローン金利の低下を一層強める要因となったマイナス金利政策は金融機関からの不満が強く、見直しが行われる可能性もあります。
こうした状況が低下を続ける住宅ローン金利へどう影響を与えるか、気になるところです。
3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | |
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三菱東京UFJ | 0.80% | 0.90% | 0.90% | 0.85% | 0.55% | 0.50% |
三井住友 | 0.80% | 0.90% | 0.90% | 0.85% | 0.75% | 0.70% |
みずほ | 0.80% | 0.85% | 0.80% | 0.80% | 0.75% | 0.65% |
りそな | 0.80% | 0.85% | 0.85% | 0.80% | 0.70% | 0.65% |
(参考:フラット35) | 1.02% | 1.02% | 0.96% | 0.99% | 0.85% | 0.83% |
ここ1年の新発日本国債10年利回りの推移