粉飾容疑の不動産会社ランド、驚きの起訴見送りへ
http://www.marketnewsline.com/news/201410231735000000.html
2012年に証券取引等監視委員会と神奈川県警に金融商品取引法違反(有価証券報告書等の虚偽記載)容疑で捜査をされていた、東証一部の不動産業者ランドですが、このたび起訴は見送りとなったそうです。
20億円という数字の上に、その後の経緯からしても、この結果にはかなり驚いています。
当時、強制捜査が入ったのを受けて、会社により第三者調査委員会が設けられ、その委員会により厳しい指摘がなされました。
https://post.tokyoipo.com/visitor/search_by_brand/infofile.php?brand=3270&info=860225
財務諸表作成のための不動産の評価書から、重要事項が数ページも削除されており、第三者調査委員会にも同じく重要事項を削除して資料が提出されているという、かなり悪質なものです。
委員会は不動産鑑定士より直接該当の評価書を入手することで、この不正に気がついたとのこと。
その結果をふまえ、会計処理は不適切であり決算の修正を求める勧告が行われました。
この第三者調査委員会による結果は会社側にとってよほど許せなかったのか、上記の要旨のみの発表しかなされず、すぐに別に社内調査委員会を設置します。
とはいえ会社側の取締役が調査委員会のトップというお手盛りのひどいもので、案の定、会計処理は適切であったという報告書をまとめあげて公表しています。
それから1年半ほどして今回の決定に至ったわけです。
証券取引等監視委員会については、ザルというか、とにかく人手不足だとか、不正に甘いとかいろいろと言われていますが、2年近くという時間をかけて見送りになったのはめずらしいようにおもいます。
監査法人も含めいろいろと黒い噂の絶えない会社ではあるのですが、今回、起訴にまで持ち込めなかったのは、悪しき前例をつくってしまったのかもしれません。
今回の件が問題なしとされるなら、決算書の信頼性にもかかわることではないでしょうか。