増税後に住宅販売が落ち込んだのは消費者のリテラシーが原因ではない
ちょっと気になる匿名ダイアリーの記事がありました。
後半の介護制度の複雑怪奇さはわかりますが、同じような物差しで住宅販売の落ち込みを論じるのは、少々無理があるのではないかと。
GDPショックの主犯「住宅落ち込み」は、政府と国民の情報非対称が原因だ
実質的には、増税前の住宅購入より、増税後の住宅購入の方が、各種対策のおかげで「有利」に働くケースが多い。
だから政府は、「今回は、住宅の反動減は少ない筈」と見通した。
「こんな筈ではなかった」が、政府のホンネだろう。
情報の非対称性(文中では非対照と書かれたりもしていますが)、という言葉は、この場合適切ではないとおもうのですが、それはおいておいて....
この増田氏の書きたいことはつまるところ、一般消費者は知識が政府関係者よりも無いので、増税後の方が有利な条件になる可能性があるにもかかわらず、購入を真剣に考えていない人は、条件を適当に考えて止めた、ということでしょうか。
なんというのか、書く内容からひどい偏見が漂っているように感じるのですが....
(そもそも、不動産のような人生の中でもトップクラスに高額な買い物を、真剣に考えていない人が、増税前でも購入するのかという疑問もありますので、ここは真剣かそうでないかにかかわらず検討している人として考えます)
住宅購入を検討する人の金融リテラシーは低くない
住宅の購入を検討する人たちが増田氏の言うように、金融リテラシーが低いと考えるのは無理があります。
業者に紹介される住宅ローンを選ぶ人もリテラシーは低くない - 住宅ローンと不動産のニュースまとめ
データ自体は住宅ローンを借りた方ですが、検討している人すべてに当てはめてもそうおかしくはないでしょう。
以前の記事にもありましたが、金利などの条件にもしっかりと把握している人は少なくありません。
世代により方法に差はあれど、情報収集にも余念が無く、むしろ一般消費者の中ではかなり高いのではないでしょうか。
住宅の需要は前倒しで消化している
増税前から不動産価格が上昇傾向にあり、さらに円安による資材価格や、人件費の高騰も言われていました。
さらに増税後の支出の増加も含め、消費マインドが低下したこともあります。
その辺りの観点が欠けているように感じます。
つまり単純に前倒しで需要を消化してしまっただけで、消費者のリテラシーは落ち込みには関係ないと考えるのが自然だとおもわれます。