魅力的だった物件は泥沼の離婚物件
中古住宅を購入するに当たって、前の住人がどういう理由で手放したのかというのは必ずチェックする項目です。
物件そのものに問題があったり、殺人が起こったり、ということを隠しているのは最近の大手業者でしたらほとんど無くなりました。告知義務がありますので、後々判明したときのリスクがとても高いからです。
それとは別に、縁起を気にする人もいます。破産などで手放した物件より、よりよい物件に買い換える物件を好む人は少なくありません。
そして比較的弱いとはいえ、敬遠されがちな物件に、離婚物件があります。
文字どおり、前の住人家族が離婚してその物件を手放すことになった物件です。
たいていは財産分与が片付いていない物件は一般でまわらないとおもいますが、稀に見切り発車で途中で話し合いがこじれてしまい、片方と契約したものの、話が中断してしまうこともあります。
ここからは、とある離婚物件を検討したときの話です。
(プライバシー上、フェイクを入れています)
たまたま前から購入したいと考えている場所で、マンションの中古物件が相場よりも少し安く出ているのを知り、早速内覧に行きました。
状態も良くこれはいい買い物かもしれないと考えていると、仲介さんが切り出しました。
「ここは持ち主の方が離婚で手放されるもので....」
私自身はそれほど縁起を担ぐ方ではありません。
すでに調停も済んでおり、ふたりとも別々の生活を歩んでいらっしゃるとのことで、むしろそれで安くなるのでしたら好都合でした。
しかし仲介さんはさらに話を進めました。
「もちろんおふたりの話し合いはついています。ただひとつちょっとややこしいことがありまして」
なんと元ご夫婦が、夫と妻、それぞれが仲介業者に依頼しているそうで。しかも期間を区切っての入札制で、それぞれの応募者の中からもっとも高い金額を提示した人を選ぶとのこと。
つまり安いと思っていた表に出ていた価格は、入札開始時での最低金額なのでした。
その後に聞いた話からして、相当にふたりの間が悪く、二度と顔を合わせたくないようで、今後の売買契約も弁護士を代理人として行うと....
魅力的な物件ではありましたが、 もし契約後になにかあった場合、この元夫婦ふたりそれぞれの弁護士を経由して伝えて同意を得なければならない状況などを考えると、こじれそうな気配が思いっきり漂っており、見送ることにしました。
この件に限らず、離婚物件は3度ほど購入を検討したことがあるのですが、最終的になんらかの問題が起こって見送りになってしまいます。
売り主の方が比較的円満離婚のときでもなぜかトラブルが起こってしまいます。
どうも私にはそういう巡り合わせのようです。