住宅ローンと不動産のニュースをまとめない

住宅ローン、不動産についての気になったニュースや話題をまとめるつもりでしたが、まとめられずに。

過疎化対策のための一部地域への人口集中とそのデメリット

不動産市場と地方の空き家対策について思考をまとめていたのですが、書いているうちにだいぶ方向が変わってしまいました。

ずいぶんと外れた内容になってしまっていますが、ご容赦ください。

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人口を集中させてコストの削減

人口減少問題を抱えていく以上、ミニマムな国家を目指すことは経済的効率からも社会福祉の面からもよく議題に上ります。

過疎化した多くの地域に同等の行政サービスを提供するのはコストが高くつくためで、その具体的な対策として、たとえば各都道府県の中心地に人口を集めてしまうというやり方です。

特に高齢社会を迎える現状において、福祉に対する費用の増加と必要性は日ごとに増しており、たとえば県庁所在地などに人口を集中させることによってひとつひとつのコストダウンにつながることを期待されています。また高齢者にとっても生活や医療の面でメリットが生じます。

これは首都圏などの人口密集地帯を除き、地方ではかなり有効的だとおもわれます。

 

メリットがあっても移住はハードルが高い 

しかし実現に向けて立ちはだかる問題は小さくありません。

高齢者に生活や習慣を変えさせることは非常に難しいことです。

どれだけメリットがあろうとも、環境を大きく変化させることは年を取るにつれ、好まなくなる人が多くなります。

現在の住居を離れるというのは、相当な経済的な負担のみならず、心理的な負担も生じるはずです。代々その土地で暮らしてきた人にとって、人間関係や先祖からの所有している不動産と切り離される可能性があることは、なかなか受け入れられないでしょう。

それこそ水害や土砂崩れなどの天災の危険性が判明したとしても、実際になかなか移住はできないもので、これまで親しんだ暮らしを捨てるというのは想像以上に難しいものがあり、自発的な転居を期待するのはまず不可能です。

 

とはいえ現代国家で効率化のために住居を強制移住させるというのは、今すぐ生命の危険があるような状況での避難のように、よほどの事情がない限りできないでしょう。

下手をするとただ単に過疎化を進めてしまうだけで、かえってコスト高になる可能性もあります。

税制の優遇等という手段もありますが、元々が不公平だった空き家の固定資産税問題とは異なり、各行政の中心地へ移住させるために優遇するとなると、やはり問題がありそうです。

また過疎化地域の住人を放っておくというのも人道的にまずいのではないかとおもわれます。それに移住した人も新しい環境で精神的にストレスを抱えてしまうことも考えられます。

 

人口集中でのデメリットも発生する

それに行政領域をパージしていくことは、当然デメリットもあります。

国土保全の観点からしてみれば、一部地域を除いて人口が著しく希薄化、あるいは無くなることは決して好ましいものではないはずです。

人が住まなくなった地域は、急激に自然へと帰ってしまいますし、人間が管理する自然ではない本当の自然が増えることで、環境にどのような影響が出るかわかりません。

人間が住まない地域が増えれば、犯罪者の拠点となる畏れもあります。ロシアのようにきわめて広大で自然環境の厳しい土地ならば仕方のないことですが、日本の広さで普段からあまり人の目の届かない土地が増えるのは、防犯上の面からも問題はありそうです。

さらに都市部に人口が集中することは、農業などの一次産業にも影響を与え、食糧自給率がさらに悪化する危険性もあります。

 

なかなか人口減少と福祉コストの解決のよい案は浮かばないのです。

一番解決として良いのは出生率を改善して人口を増やす方向なのでしょうが、正直、それがもっともたいへんな道のりのように感じています。