スイスフランの大暴騰とハンガリーの住宅ローンへの影響
昨夜発表されたスイス中銀の為替介入上限枠撤廃のニュースは、スイスフランの大暴騰へとつながり、歴史的な1日となりました。
ネットでもFXをされている方などを中心に、祭り状態と化しており、莫大な利益にかえって怖くなったという話や、追い証の恐怖の話題で盛り上がっています。
このブログとしてはスイスフラン建ての住宅ローンについて書いてみます。
東欧を中心に高金利の国の家庭にとって、金利の低いスイスフラン建ての住宅ローンは人気の商品です。
この関連でよくニュースに上げられるところだとハンガリーです。
人気のスイスフラン建て住宅ローン
FXをされている方でスワップ派の方ならご存じでしょうが、ハンガリーフォリントはハイリスクながらも高いスワップポイントが得られる通貨として有名です。
ハンガリーという国は歴史上、インフレによる被害を何度も受けてきたこともあり、その抑制のために高い政策金利を打ち出しています。最近でこそ2%台に落ち着いていますが、数年前は10%を超えるときもありました。
借入は当然のことながら金利の高低が大きな影響を及ぼします。ハンガリーでは金利の高いフォリントではなく、スイスフランのような低金利の外貨建ての住宅ローンが、2000年以降人気となりました。
しかし2008年のリーマンショック以降、ハンガリーフォリントはその価値が下落し、外貨建ての住宅ローンを借りていた家庭は支払額が増加し、支払が困難になっていきます。
ここ10年のスイスフラン・ハンガリーフォリントのチャート
この状況にハンガリー政府は外貨建ての住宅ローンは欠陥商品だとして、損失分を金融機関が負担するよう求めましたが、ユーロ経済全体への不安を招くおそれから各国の批判が相次ぐと共に、ハンガリーの最高裁判所で外貨建て住宅ローンは合法という判断がなされてしまいます。
昨年の秋に、ようやく外貨建て住宅ローンを、公式レートでフォリント建てへと変更できることで合意がなされたのですが、今回のスイスフランの大暴騰はその矢先のことでした。
ハンガリー政府の話では、すでにレートは締結されているため、今回のスイスフランとフォリントとの為替レートは住宅ローンに影響しないということで、きわどい判断だったことになります。
ただ以前に読んだニュースでは変更は義務化されていないという話もありましたので、どこまで信じてよいのかはわかりませんが....
今回、住宅ローンへの影響はないという話もあります。
ですが同じくスイスフラン建てで多くの住宅ローンを抱えているポーランドや、クロアチアなどもあります。
中欧や東欧の状況は日本ではニュースとして入ってくるのにワンクッションがおかれるため、あまりよくわからない状態ですが、今後の展開が気になります。