スイスフランの大暴騰で思い出すFXの失敗体験
スイスフラン、フランと連呼されているので、食べたくなってコンビニに買いに行ってしまった....
今回のスイスフランで、FXで莫大な損を出した記事を読むたびに、昔の自分の失敗を思い出します。
それは今から数年前のこと。
当時流行を始めたFXなるものに私も手を出してみました。
当時は円のキャリートレードが世界を席巻していたこともあり、ドルをはじめとする各国の通貨をロングするだけで利益が出るという、とても簡単なものでした。
試しに数回ほどドル/円を1000通貨で取引して利益が出たこともあり、今度はスワップでどのくらい貯まるか試してみようと考えていました。
ちょうどオーストラリアドル/円のペアが少し円高に振れたので、30万ほど入れて数枚をロングすることに。
しかしほどほどに勝っていたことで油断をしていたのです。
なんとなく体調がすぐれなかったこともあり、ストップロスを置くのは明日でいいか、などと考えて、そのまま寝てしまいました。
救急車で運ばれ即入院
ところが翌日、体調が悪化し、そのまま救急車で病院に運ばれると、即入院するはめに。
鎮痛剤の作用のために準集中治療室で朦朧とした日々を過ごし、一般病棟に移ってもほとんど寝てばかりの時間を過ごし、ようやく周りのことが気になるほど気力が回復したときには10日近くが過ぎていました。
病室でテレビを付けると、急激な円高のニュースをやっているではありませんか。
当然、豪ドル/円も大きく値が動いています。
もしかしたらあの建玉はロスカットになるかもしれない、と考えました。
ですがおそろしいことにそのときはまだ幾らになったらロスカットが発動するかすら考えずにFXをしていたのです。
家族に携帯を持ってきてもらったものの、建玉がどうなったか確認する機も起こらず、ベッドの上で過ごしていました。
同室のおじいさんが野球が好きだったこと。ちょうどそのときは後にヤクルトに入る佐藤由規くんがプロで通用するかしないか、という話を見舞いの方としていたこと、猛暑であずきバーが売れに売れて井村屋がたいへんというニュースばかり覚えています。
ときは2007年8月。
以前から危惧されていたサブプライムローンの問題が表面化してきた時期のことです。
月の終わりにようやく退院した私は、家に戻ると真っ先にPCをつけて確認をしたのですが、当然のことながらロスカットされており、30万の証拠金は数万円にまで減っていたのでした。
その後、しばらくして相場は一時的に回復しますが、翌年のリーマンショックなどもあって円のキャリートレードのブームは過ぎ、長い円高の時代がやってくることになります。
落とし穴は常にその身の傍らにある
失敗談ではあるのですが、失った金額は20数万と、この手のネタでは笑い話にもならない金額でした。
当時は今のようなレバレッジの規制が無く、個人でも信じられない高いレバレッジをかけて取引していた人もいますから、その人たちがどうなったかは言うまでもない話です。
しかし、もし早いうちにこの体験をしていなければどうなったかとおもうと怖ろしい限りです。
レバレッジの計算もリスク管理もいい加減なままで勝ち続け、気が大きくなりレバレッジをどんどんと上げていったところへ、ある日ドカンと相場が反対方向へと動き、ロスカットも働かず....などという未来が待ち受けていた可能性は想像に難くありません。
証拠金取引でありながら、いい加減な取引をしていた自分の行いに今でも身震いします。リスク、リスクと気にするのも、その経験が影響しているのでしょう。
今はFXは外貨を購入するときに低レバで利用する程度ですが、 このような小さな失敗をしていなければ、立ち直れない損失を出してしまっていたかもしれません。
あのときの失敗は金額以上に自分に大きな糧になったと、そうおもいます。