住宅ローンと不動産のニュースをまとめない

住宅ローン、不動産についての気になったニュースや話題をまとめるつもりでしたが、まとめられずに。

住民税の特別徴収と副業禁止の勤務先対策

サラリーマンにとってよい副業を探すのは永遠のテーマでもあります。
副業で不動産投資をされる方や、アフィリエイトで稼ぐ方もいるでしょう。 

とはいえ、勤務先の副業禁止の規定がそれに立ちはだかることも多いのも事実です。
つい最近も、こんな記事が話題になりました。


部下が土日に「イラストレーターの副業」をしていた! どうやったら止めさせられるか | キャリコネニュース

当然といえば当然ですが、就業時間後の従業員の行動を企業は拘束できません。企業側に損害を与えるような行為でなければ、 口を挟まれるいわれはありません。

とは言っても、やはり無用のトラブルはできれば回避したいものです。

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photo by Beta Soluciones Empresariales

住民税の普通通知の選択は例外が多い

副業が勤務先にばれる原因として、よく言われるのが住民税です。

住民税は昨年の収入を元に、市町村が計算して請求をします。
一般的には給与所得がある勤務先に通知書を送り、勤務先が給与から天引きして支払うので、直接納める必要はありません。
この方法を特別徴収というのですが、特別という名に反して、源泉徴収を行っている給与支払者は住民税も徴収納付するのが原則となっています。
このため前年に副業で収入があると、勤務先にそれがバレてしまいます。
そこでサラリーマンの副業では、いかにこの住民税の通知を勤務先に送らせないかが課題です。 

この問題に対する回答としては、副業分の確定申告の際に普通徴収を選択するというのが解決方法の有力な手ですが、実際には例外が多く安心できません。

 
副業も種類によっては会社にバレる?市町村単位で対応が違う住民税の普通徴収 - マネー報道 MoneyReport

 

住民税の特別徴収の推進の罠

現在、住民税の支払いを企業に義務化させる、住民税の特別徴収推進運動というのが、全国的に行われています。普通徴収での滞納を防ぐためというのが本音でしょうか。

対象の自治体では、勤務先が強制的に特別徴収の対象となってしまうことになります。
もしも2カ所以上から給与を受け取っている場合、主となる支払者に、特別徴収の義務が課せられます。たいていは主となる支払者はもっとも給与を多く支払っている勤務先に通知書が送られます。

アルバイトや委託などで、副業が給与という形で収入を得ていると、ほぼ確実に勤務先に副業がバレることになります。

普通所得でも勤務先にわかってしまうような通知書も  

では給与所得でなければだいじょうぶか、というと、そうでもありません。
副業で年間20万を超える収入があれば確定申告をすることになりますが、医療費控除や社会保険料控除が高額となり、確定申告分の住民税がマイナスになることがあります。
この場合、市町村は確定申告分でマイナスとなった住民税を特別徴収から還付するのではなく、合計額を計算して特別徴収をしている会社の方へ通知するという方法を採るところが一般的です。

もっともひどい例となると、通知書のフォーマットがわざわざ勤務先に別の所得があることがわかるような書き方をしているところもあり、そうなるともうどうしようもありません。

この辺りはあくまでも一例です。
住民税を徴収するのは市町村ですので、そこの方針によってすべて異なるので常に確認が必要です。

 

もっとも無難な対策は

住民税が通知されてしまう対策として、もっともよい方法は、身も蓋もないですが、あらかじめ勤務先(の上司)に話をしておくというものです。 

原則副業禁止の公務員でも、相続でアパートを引き継ぐような場合、申告して許可を受けることで可能になりのですから、まともな会社や上司でしたら、仮に規則で副業禁止にしていてもそれなりの理由があれば、了解か黙認はしてくれるはずです。

たとえば不動産所得があるのでしたら、親が始めたことにして、自分は名義を貸しているだけにしているだけという形です。

「部長。実は父親が不動産投資をはじめたのですが、将来の相続のことも考えて、私の名義ですることになりました。実際の経営は父がしてまして、私はまったくタッチしていないのですが、うちは副業禁止ですしあとで問題になるといけないとおもいましたので、念のため、部長にはお話をしておこうかと」

というような感じで話してみることです。

アフィリエイト収入がある場合でも、やはり親族が事業をはじめたことにして、税金対策のために、報酬を貰った形にするなど、いろいろと言い訳(?)は考えられそうです。 

 

ただし、名義を貸しているとはいえ、たとえば上記の不動産投資には贈与税の問題がからんでくるときもありますから、具体的な内容を突っ込まれたときに最低限のストーリーをつくっておかないとまずいかもしれません。
さすがに証明を出せまでは言われないとおもいますが....

とにもかくにも、 

自分は名義を貸しているだけ
実際の事業には関与していない
詳しいことはわからない

ということははっきりと盛り込んでおくべきでしょう。

 

ブラック企業なら話を通すのは厳禁 

とはいえこの方法はいわゆるブラック企業、たとえば上が従業員の言葉に耳を貸す気配のない会社や、社内全体が体育会系的な会社などでは、むしろ墓穴を掘る可能性があります。
ですので上司に話すときには必ず社内の雰囲気を読んで行ってください。

これは絶対に副業を認めなさそうだと感じた場合は覚悟が必要です。
最初にも書きましたが、本来は勤務時間外の行為は規制できないものですので、コンプライアンスに対する姿勢にも疑問が生じます。
それこそ思い切って転職も考えてもいいのではないかと、そうおもいます。 

 

なかなか一筋縄ではいかない問題ですが、悩まされている方が、なんとかクリアされて本業に加えて副業にも集中できる体勢になれることを願っています。