住宅ローンと不動産のニュースをまとめない

住宅ローン、不動産についての気になったニュースや話題をまとめるつもりでしたが、まとめられずに。

名古屋とその周辺における戸建志向とクルマ社会

少し前に東洋経済オンラインで3大都市圏で、10年前に購入したマンションがどのくらいの売却価格になっているかというランキングを記事にしていました。


中古マンション、「価格上昇」100駅ランキング | オリジナル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

お金を持っている会社ランキングとか、最近の東洋経済オンラインは刺激的なタイトルが多いですね。

このなかで名古屋でこの10年の間に売却価格が一部の地区を除いてほぼ下回った理由について、名古屋の周辺は戸建志向が強く、マンションは戸建住宅に住むまでの仮住まい、とが述べられていました。
関東関西と比較したわけではありませんが、たしかにこの辺りは戸建志向が強い地域だとは実感しています。 
中古の分譲マンションで売却理由を訊ねると、住宅を建てたのでという答えが返ってくることがよくありますし、この手の物件が縁起がよいとよろこばれます。

戸建志向の理由としては、濃尾平野というだだっぴろい平地が広がっており、関東平野ほど広くはないものの、首都圏と比べて人口密度が低いという点があげられます。 

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クルマ社会では郊外の戸建が有利

しかし、名古屋とその周辺が戸建志向が強い理由としては、やはりクルマ社会であることが大きく作用しているのではないかとおもいます。
関東ではここ数年、分譲マンションの駐車場ががら空きで、区分所有者以外に駐車場を貸し出すこともという話を目にしますが、こちらではそういった話はほとんど聞きません。
若者のクルマ離れという言葉も流行っていますが、こちらではその傾向はあるものの、まだそこまで顕著ではないようです。
それこそ一家全員がひとり一台、所有していることもそれほどめずらしいことではありません。
免許の保有率では北関東に次ぐ割合です。

賃貸でも分譲でも、駐車場が手近に確保できるかできないかは、物件の価値に大きな影響を与えます。
もしこちらで中古マンションを購入するならば、内覧の際に、駐車場に空きがあるか、現在の住人が借りているなら引き継げるかどうか、月額はいくらか、などといった説明が、ほぼ必ずといっていいほどあります。
駐車場を得ることが難しい場合は、その旨の断りがあるでしょう。

大抵の会社、店舗、施設ではクルマの利用者が想定されていることもあって、それほど離れた場所でなくてもクルマで移動することがもっぱらになります。
駅前の利便性はもちろん重要視されるのですが、クルマで移動することに慣れてしまうと、遠距離以外の移動で公共交通機関を使うのは、学生か高齢者がほとんどとなります。
電車で移動できる範囲でも、クルマを使うことの方が多いのです。

マンションを建てたい場所でも建売分譲住宅に

そんなわけで、駅前のマンションよりも、駐車場が確保しやすい郊外の住宅の方が格が高い、という感じなのですが、もっともこれはニワトリが先かタマゴが先かということかもしれません。
クルマだから郊外の戸建が好まれるのか、戸建志向だからクルマ社会になったのか。

ただ、街をまわっていても、ここにマンションを建てたら便利なのに、とおもう場所でも、たいてい建売分譲住宅になってしまい、しかもすぐに売れていくことがほとんどなので、戸建が望まれているのは間違いないようです。

ちなみに仕事先の知り合いの方で、いわゆる富裕層の方がいらっしゃるのですが、名古屋都心に何件かマンションを所持しているのというのに、そこは全部賃貸にしてしまい、結局、郊外の一軒家で暮らしています。
当然、一家全員が各自のクルマ保有者で....

私自身はいまだに免許を持っていないので、どちらがいいかと問われたら駅近くのマンションを選びます。
幸いにも今の自宅は駅のすぐ近くの上に、自転車も活用すれば3駅は楽に活用できる場所に住んでいるので、駅近+戸建と悪い条件ではないのですが、クルマに乗らないと日常の生活ではなにかと不便ではあります。