速度やコスパの数字がよいMVNOは劣化する
先週末からギリシャも中国もなんとか今は沈静化したような形です。
もっとも実情は解決しているどころか、強引に先送りしているだけの感があるので、むしろ将来、よりひどい状況に陥りそうな気がしますが、だいじょうぶなのでしょうか。
それはさておいて、WiMAXに対する消費者運動が話題となっています。
私自身はWiMAXのユーザーではないのですが、多くのネットや通信業界の手法モラルは、昔からあまり芳しいものではなく、その行く末には関心があります。
それはそれとして、WiMAXのサービスは本来はかなり厳しいものではないかとおもわれます。
本来、帯域不足に悩まされている現在のモバイル事情において、転送量無制限というのはかなり難しいサービスです。
通信だけに限ったことではないのですが、平均的な価格と比べて、非常に安い価格だったり、きわめて条件がよい場合は、なにかが削られているか、あるいは無理をしていたり。
それは技術力であったり、品質であったり、誠実さであったりといったところです。
よい結果を出すMVNOはしばらくして劣化する
MVNOの速度テストを公開しているブログはいくつもあり、簡単に速度が速く優秀なMVNOを調べることができます。
ところが評価の高いMVNOはしばらくすると速度が落ちてきます。
ネットで検索して数字がよく評判が広まればユーザーが集まり、それのためにスピードが出なくなる、という悪循環です。
私自身は今はIIJを利用しているのですが、その理由は速度でも転送量でもありません。
前にも書いたのですが、数字上、他のMVNOと比較した場合、IIJのサービスは決して一番に来ることがありません。
通信料あたりの料金は決して最安ではありませんし、スピードも最速ではありません。
それどころか、特に最近のIIJの回線は、場所により特定の時間帯、たとえば正午前後にはかなり重たくなるという欠点も抱えています。
それでも他人にMVNOをすすめるときに、IIJmioを一番の候補に挙げるのは、IIJという会社が日本でのインターネット黎明期から存在していて、これまでの経緯に加え、また他社に有利な情報でも公開していく姿勢があることから、あまりあこぎなサービス改訂をしないだろうという予想があるからです。
あまりにユーザー有利なサービスは長続きしない
現在はそれなりに信頼をしているIIJmioですが、かといって今後も同じであるとも限りません。
本来はBtoBが中心の会社だったのが、ここへきて個人向けサービスにもかなり力を入れていることもあり、これまでのようにはいかなくなる可能性はじゅうぶんに考えられます。
今年4月から、1ヶ月の無料分が3GBに増えたことは、かなり話題になりました。
ユーザーにとっては喜ばしいことです。
ですが、リソースが決して有り余っている状態でない以上、利用者にとっては必ずしもよいことではないのではないか、という懸念があります。
特定時間帯のスピードがIIJmioで落ちているということを書きましたが、他のMVNOも同じような問題を抱えています。
通信インフラを整えるのは技術力と手間、そしてお金がかかるわりに、地味な仕事です。
なかなか対策が難しいとはいえ、今後、IIJが個人向けのサービスを広げていく上で、これまでと同じような態度を貫けるかどうかはわかりません。
現在のように、帯域対策がうまくいっていない状態で、ユーザー獲得を焦るあまりに転送量をどんどんと上げていけば、サービスが破綻してしまうかもしれません。
もちろん他のMVNOでも、あまりによいうたい文句のサービスを打ち出してきた場合は、むしろ近い将来、サービス内容が劣化する可能性を心配した方がよいのではないかとおもいます。