住宅ローンで35年間もかけて返済している人はほとんどいない現状
例の高知の方が、また炎上物件を掲載されているようで....
賃貸vs持ち家という話題は、ネタ的な要素も含めてここのところのテーマとなっているのですが、
賃貸と持ち家のどちらが得か損かは最終的には運の要素が強い
というのが私の持論で、賃貸の方が不自由もあるけれどいざというときの小回りもききやすい、ということもあるのですが、家計にゆとりがあるのでしたらどちらでも好きな方でという感じです。
ただ、35年間も住宅ローンを返済というのは実情とはかなり異なった認識なのかなとおもいます。
繰り上げ返済のために平均的な返済期間は14年前後
仮に当初は35年間でローンを組んだとしても、現実には35年間かけて完済する人というのはほとんどいません。
昨年、アットホームのアンケートで興味深い結果が出ていました。
ほとんどの人が20年以内に繰り上げで返済しているという結果です。
対象が、首都圏の子持ち男性サラリーマンで、住宅ローンを完済した人、というので母集団が偏っているような気がするのですが、住宅金融支援機構が発表しているデータも参考にしてみますと、
2013年~2010年度
http://www.jhf.go.jp/files/300208028.pdf
2009年~2006年度
http://www.jhf.go.jp/files/100516890.pdf
こちらの、7.住宅ローン貸出期限をみると、返済期間20年以内でのローンが2割前後しかないのとは反対に、完済者の8割以上が20年以内に支払いを済ませています。
完済までの平均期間は、アットホームのアンケートでは13.7年、住宅金融支援機構の2013年度のデータでは14.3年となっています。
10年に満たないデータなので新規の借り入れと返済の人間は異なっているとはいえ、アットホームのアンケートとも併せて考えれば、基本的に繰り上げて20年以内に返済をしている人が圧倒的に多いことが推測されます。
住宅ローンを借りる人はローンの計算はしっかりしている
また繰り上げ返済の内訳として、節約という答えが半数以上を占めていることからも、多くの住宅ローンの借り入れが、当初の計画がかなりゆとりをもって立てられているようです。
私は前に銀行のローン担当者との話で、相続で繰り上げ返済される方が多いと聞いていたのですが、相続での返済はほとんどありませんでした。
ネット全盛のこの時代、金利も返済計画も、賃貸との比較での資金計画も、PCやスマホがあればそう難しいことではありません。
昭和的ないつかは持ち家という古い価値観ではなく、もっと現実的な計算での上で、住宅ローンを組んで住宅を購入していると考えた方がよさそうです。
もっともここ2年ほど、アベノミクスのときに借りた人のなかには、積極的な融資方針もあって、家計にそれほどゆとりがない状態でも、無理をして借りている人も多いかもしれません。
それでもバブル期と比べて金利が圧倒的に低いため、破綻に追い込まれる家庭は少ないのではないかと予想をしています。