2016年7月の住宅ローン金利は史上最低水準更新中と既存顧客借換需要の奪い合い
2016年7月の住宅ローン金利は、史上最低水準をさらに更新しています。
先月はイギリスのUE離脱問題もあり、日本国債への資金流入が続き、そのため金利は一段と低下。
その影響もあり、10年固定の最優遇金利では、国債市場特別参加者資格を返上するというニュースが出た三菱東京UFJ銀行が0.55%とメガバンクとしては驚異的な金利となっています。
三井住友銀行とみずほ銀行も0.75%と、以前からは考えられないほど引き下げていますが、それが霞む金利です。
伸び悩む新規と借り換え競争
過去最低水準を更新中ですが、一方で新規の借り入れはすっかり停滞をしてしまいました。
昨年2015年の分譲マンション販売戸数は、前年からほぼ変わらずの横ばいの予想でしたが、全国平均で6%強、首都圏では10%近く減少しています。
そのため、すでに借り入れのある他行の既存顧客をターゲットにした、借り換えによる奪い合いの様相を呈しています。
各行が、これだけ金利を引き下げているのも、少しでも収益を上げたい(つまり他から奪いたい)という意欲の表れでしょうか。
なにしろ全期間固定金利のフラットですら融資率9割以下ならば35年ですら1%を切っている時代です。
ここ最近の不動産市場の活性化はあくまでも首都圏のオフィス需要が中心であり、一般住宅市場は新規も中古も停滞してしまっています。
不動産価格が高止まりしている反面、一般家庭での世帯収入が上がらないのが主な原因とされています。
地方の例ですが、愛知県の中古マンションの価格を観察していますと、物件情報サイトに新規に登録される物件は、2年前の同じマンションの部屋と比べて2割から4割以上価格をあげているところが少なくありません。
その一方、これらのマンションは長い期間、売れ残ったままとなっています。
逆に数年前と同程度の価格で出していた物件は、かなり早い段階で消えていることを考えると、購入意欲は高くても、物件の価格に対してかなりシビアにみているようです。
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | |
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三菱東京UFJ | 1.05% | 0.80% | 0.90% | 0.90% | 0.85% | 0.55% |
三井住友 | 1.05% | 0.80% | 0.90% | 0.90% | 0.85% | 0.75% |
みずほ | 1.05% | 0.80% | 0.85% | 0.80% | 0.80% | 0.75% |
りそな | 1.05% | 0.80% | 0.85% | 0.85% | 0.80% | 0.70% |
(参考:フラット35) | 1.21% | 1.02% | 1.02% | 0.96% | 0.99% | 0.85% |
ここ1年の新発日本国債10年利回りの推移