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住宅ローンと不動産のニュースをまとめない

住宅ローン、不動産についての気になったニュースや話題をまとめるつもりでしたが、まとめられずに。

不動産市場に大きな変化をもたらす空き家は少ない

先日、空き家の市場大量流出で不動産大暴落、という週刊誌ネタに反論を書いたのですが、そこで書き切れていない話を補足で。 


法改正で税金6倍! 「空き家」は大急ぎで2月末までに売れ|矢来町ぐるり

これもまた極端すぎる記事かなとおもいます。
2月末までに、とはいってもとてもそんなにすぐに売れるものではなく、記事中にもあるように空き家自体、なかなか売りにくいものです。

もちろん国土交通省が、欧米と比べて低い国内の中古住宅の流通を活性化しようという考えがあるのは間違いありません。

その他:中古住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み - 国土交通省

ですが、現在日本では、古い一戸建ての価値はほとんどないのが現状です。

不動産の広告では、土地の紹介文に「上物あり」という内容の掲載をみかけることはそれほどめずらしいことではありません。
上物とはつまり古い家屋です。この土地には建物が建っています、という意味なのですが、つまりは注意書きです。
建物は自由に使っていいのですが、たいていの場合、解体され更地にして利用されます。建物の解体費用がかかる分、上物ありの土地は、更地よりも安く取引されることになります。
ですので、空き家自体が逆に不動産の価値を下げてしまうことになります。

既存不適格となる問題 

空き家が忌避されるのは戦後の日本における新築信仰もさることながら、いくつもの問題が生じるというのもあります。
そのうちのひとつに既存不適格という問題があります。建築時は適法であったものが、その後の変化で建坪率や接道などが違法になってしまったもので、上物アリという物件は、この手の家屋が少なくありません。
既存不適格の建物ですと、購入後に増改築をしようとすると、規制に引っかかり、大規模に手を入る必要が出てくる可能性があります。
そうなると更地にして新築で建てた方が安上がりという場合も多くなってしまいます。

中古住宅への規制は緩和の方向へ進んではいるのですが、難しいのはここで単純に規制を緩和すればいいというわけではない点です。
規制はどうしても防災の問題がからんでくるので、安全性を考えるとなかなか難しい問題です。

適切にメンテナンスされてきた空き家は少ない 

日本の家屋の耐用年数は木造建築で27年や33年という説があります。
これの根拠は取り壊しまでの平均年数や減価償却の年数です。たしかに日本の気候風土は建築には厳しいですが、木造家屋であっても、よい材木を使用し、適切にメンテナンスがされていれば、かなりの年数が持つであろうことは言うまでもありません。

身近でも古民家をリフォームして綺麗な店舗として活用している例が増えてきました。

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先日、常滑へ行く用事があったのですが、ここは以前から古い建物を上手に利用して店舗にしているところがたくさんあります。柱など、下手な最近の住宅よりもかなりよいものをつかっているために、新築の建物よりもしっかりしていますし、よい雰囲気があります。

ですが、やはり地方の旧家など、建物そのものが良く管理が行き届いてきたものが中心です。実際に今問題となっている空き家でそういったメンテナンスがされている家屋は少ないのが現状です。

好条件の物件は業者が購入し建売住宅に

売りに出された空き家のうち、リフォーム、リノベーションを施さずにそのまま使用できる家屋はかなり稀少になるのではと予想されます。
上記の件をクリアしたとしても、相応の費用がかかるのは間違いなく、あくまでも新築よりは安く上がるという程度にしかならないかもしれません。

現在でも好条件の場所で空き家が売りに出される場合、市場に出回るよりも先に業者が購入し、更地にして新築の建売として出てくることの方が多いでしょう。
固定資産税の改正で、空き家が放出されるようになったとしても、好条件の場所は持ち主がなかなか売りに出されませんので、やはりこの状況は変わらないのではないでしょうか。

まず空き家の問題での解決は、防犯や防災対策、そして地域の活性化にいかにつながるかであり、不動産市場の影響にはまだクリアすべき点が多いのではないかとおもいます。